EAポートフォリオを組んでみよう！②
前回までの振り返り
EA-BANKには120を超えるEAがあり、EA-BANKで審査をした上で登録されたものをさらに厳選し、自分の証拠金、許容できるドローダウン額、性格に向いているかどうか等に当てはめてポートフォリオを組んでいこう！ということで、EAの分析まで進めてきました。
初心者の時にやりがちなのが、利益の数字だけでEAを回し、想定していなかった含み損や損失で常にハラハラしてチャートが気になる。眠れない夜を過ごしたり、仕事や家事に身が入らない、とにかくプラスになって欲しいというお祈りが始まります。
これでは、EA（自動売買）のツールを使う意味がないですよね？
自分が回すEAを知っていて、含み損や損失がいくらになったら想定外として対応するのか？利益額よりも、ドローダウンに注視し、自分の証拠金で耐えられるのかどうか？を必ずチェックして下さい。
2、3回DDが来ても耐えられる証拠金で回すことで、含み損や損失があった時も「想定内」ならば感情を乱すことなく、増減を数字としてとらえることもしやすく、EA（自動売買）を使うマインドが整います。
物事を数値化して評価するように、投資全般、EAも数字（データ）で評価します。人なので感情はどうしても出てしまいますが、感情が揺れてしまうような投資は生活を脅かしてしまうので、必ず余剰資金で余裕を持ってEAを選択していきたいですね。
“QuantAnalyzer”でポートフォリオをみる
今回は”QuantAnalyzer”で分析し、厳選したEAをポートフォリオ化してみましょう。
①QuantAnalyzerのポートフォリオ機能を使う
ポートフォリオに組み入れたいEAにチェックを入れ、「Create Portfolio」をクリック。
「portfolio」タブから、先ほど作成したポートフォリオの利益のクリックすると、厳選したEA全部を回した場合の結果を見ることができます。
②作成したポートフォリオをチェックする
＄表記のため、数値として使用できないものもありますが、ここでチェックしてもらいたいのが「最大DD」。約8千円が最大ドローダウンとなっていますが、各EAのDDをチェックすると1つのEAで8千円を超えるものがあることに気付きましたでしょうか？
私がポートフォリオに入れたEAの中にも、約8,000円DDのEAが入っていますが、18個のEAをポートフォリオとして回すと、18個なのにDDが約8,000円となっています。
これがポートフォリオの力となります。
また月別パフォーマンスを見ると、10年で負けている年もなく、1年で多くて2回負ける月があるというもの。最小の0.01ロットで回して約920,000円の利益、約8,000円のDD。なかなかいい感じではないでしょうか？
10万円の証拠金に対して、最大DDの8,000円が3回来てもマイナス24,000円。短くて1ヶ月、長くとも半年ぐらいで回復できる金額なので、長期目線で耐えられる設定であるほど、感情に左右されず数字上のデータとして回すことが可能となります。
③相関性をチェックする
EAにも相関性があり、相関関係が強いものは同時利益、同時損失といった感じで、同じようなタイミングに同じような損益を出すものがあります。
ポートフォリオを組むのであれば、凸凹の穴埋めをしつつ利益を伸ばすことを目標とするため、同じロジックを避けることが基本です。
しかし開発者でない限り、ロジックを知ることが難しいため、相関係数を見ることにより同時損失を出すようなEAを減らしていく作業を行います。
上部の「Portfolio correlation」タブから、「Hour」「Day」（スキャルとデイトレのEAが主なため）をそれぞれ選択し、「Compute」を押す。
相関係数0.7 – 1.0：相関関係が強い
相関係数0.4 – 0.7：相関関係がやや強い
相関係数0.4未満：相関関係はあるが強くない
相関係数０：相関関係が全くない
相関係数マイナス：相関関係が真逆
ここの線引きは人それぞれになってしまいますが、今回は0.4未満になるようにEAを厳選し、ポートフォリオを組んでいきます。
期間を変えると違いが見える
2013年1月1日‐2022年12月31日
厳選18EAのポートフォリオ
厳選15EAのポートフォリオ
2013年～2022年の10年バックテスト結果から作成したポートフォリオでは、最大DDにほとんど違いがないけれど、利益額は20万円ほどの違いが出ていますね。
この10年の結果だけで見るなら、厳選18個で回した方が良さそうですね。
これを直近3年に期間を変えてみるとどうでしょうか？
2020年1月1日-2023年6月9日
厳選18個EAのポートフォリオ
厳選15個ポートフォリオ
直近のバックテスト（2020年1月1日～2023年6月9日）で、同じEAのポートフォリオを見てみると、利益額はEA18個の方が大きいものの、最大DDも大きくなっているのが分かります。シャープレシオやPF等、数値的にはEA15個の方が良くなっていますね。
10年以上の長期バックテストでプラスなのは、もちろん大切な指標ですが、バックテストは所詮過去の相場であって、今後どうなるかは分かりません。また、最初の5年の成績は良いけれど、後半の5年はDDが回復できていないものであったり、直近3年で最大DDを更新し続けているもの等、長期バックテストで見つけにくいEAの成績も、期間を分けてみることで見えてきます。
今回の企画では、直近の相場と相性の悪いEAを抜いた厳選15個のEAで回していきたいと思います。
ポートフォリオの成績が見やすいように、英語表記のQuantAnalyzerではなく、岩ライザーFXを使用しました。
これからEAにどっぷりハマりたい方は、ベストバイのアナライザーアプリ！（このブログからの購入で5,000円割引＋プレゼント（希望者のみ））
EAポートフォリオに正解はない⁈
EAポートフォリオの組み方は人それぞれ
EAのロジックさえ被っていなければ相関は気にしない、シャープレシオが高ければいい等、EA開発者の方もそれぞれの考え方でポートフォリオを組んでおり、実際にネット検索しても色々な考え方に触れるかと思います。
今回は ”EA初心者でも簡単に” ということで、QuantAnalyzerの無料プランで出来る範囲でポートフォリオを組めるように進めてきました。
もし、難しい方法でもポートフォリオを勉強したい！という方は、私の統計学の先生 藍崎さんのnoteで勉強してみてください。
今後の流れ
①厳選したEA（最大DDは耐えられる金額ですか？）を実際に回してみる
②3ヶ月のリアルフォワード結果と同期間バックテストの結果を比べる
③EAを確定し、ロット配分を含めたポートフォリオを組む
④各EAの想定外最大DD、想定外利益額等、停止基準を設定する
⑤②～④を自分の決めた期間で繰り返しながら回す
リアルフォワードとバックテストを比べる
EA-BANKではデモ口座でお試しに回してみることができません。
初っ端から自分の資金を使ってEAを回してみるしかないけれど、ポートフォリオ通りになるのかどうかは、バックテストの結果に近いフォワードとなるかどうか？を調べることが大切です。
バックテストの成績から厳選したのに、リアルフォワードではバックテストと大幅に違う成績を出すEAだった場合、ポートフォリオが狂ってしまいます。
まずは3ヶ月、最小の0.01lotでリアルフォワードを回してみて、同じ期間のバックテストの結果と比べる作業をしていきます。この結果を元に、ロット配分を含めたポートフォリオを組んでいきます。
EAは1年以上回したうえで判断したいところですが、今回は数個のEAを一緒に回すポートフォリオなので、想定外の動きがあればポートフォリオの組み直しをしていきましょう！
※大きく損失を出したからといって想定内にも関わらずロットを下げてしまうと、回復が遅くなってしまうので注意！
リアルフォワードスタート！
2023/07/11 EA-BANK企画 厳選15EAのリアルフォワードを開始しました！
・EAの最大DD1.5倍までを想定内とし、超えたEAは個別で回復を見込めるか確認する。
→利益額や勝率はどう？EAは正常に動いてる？小さく沢山負けてる？一気に大きく負けてる？相場にたまたま合わなかったとしても、続くようなら使用し続けるのはリスクになります。
・回復が見込める場合：そのまま回し様子見。
・回復が見込めない場合：停止 or 0.01lotで回し続ける。
上記のように数字を決めておいたり、0.01lotの最低ロットだったらそのまま1年はDDに関わらず回してみる等、エクセルでEAデータを管理しながら、ルールを決めて回していきましょう！
RealTradeとmyfxbookでEA-BANK口座のリアルフォワード成績を公開します。
「リアルで回しています」と言っている開発者や、EA代理店の人からEA購入やIB利用をする際は、RealTradeやmyfxbookというトレード成績公開サイトで公開しているかどうか？は必ず確認してくださいね！（※リアル口座と紐づいているか中身も要確認）
RealTrade -リアルフォワード-
myfxbook -リアルフォワード-
もっと深い考察や分析方法はいくらでもあるのですが、まずは「使ってみる」ことも大切。
資産を守る最低限を学び、実際に体験し、その先へと進んでいきましょう！
利益でなく、損失に目を向け、どのくらいの損失なら感情が揺れないのか？という自分のお金の器を知り、感情に左右されず放置できる金額設定がおススメです。
