破綻覚悟の爆益EA「ナンピンマーチンEA」
爆益EAでよく聞くナンピンマーチンEAってなに?
EA(自動売買)探しをしたことがある人なら、一度は目にしたことや使ってみたことがある人もいるだろう。
「ナンピンマーチンEA」には「ナンピン」と「マーチン」という、2つの手法が確定で入っている。
手法「ナンピン」とは?
「ナンピン」とは、簡単に言うとエントリーのコストを平準化する手法のこと。
例えば…
ドル/円が上昇するだろうと、135円でBUYのポジションを持ったところ、134.50円、134円と下落していってしまう。
そんな時に、134.50円でBUY、134円でBUYと買い下がっていくことで、平均取得単価(平均コスト)を下げる。
平均取得単価を下げることで、価格が上昇したときにマイナスからプラスに転じるポイントも下がるので、予想通りの上昇となった場合の利益が135円でBUYを入れた場合と比べ大きくなる。
このようにどこまで下落するか分からない場合に、戦術的に追加でBUYをいれ、買い下がっていくことを「ナンピン」という。(SELLも同じく)
ただ、一方向に動いてしまったときに無限ナンピンをしてしまった場合、平均コストは下がっているが、証拠金で賄えないほどの含み損を抱えてしまうこともあり、大きな資金や資金管理も必要となるため、初心者にはおすすめできない手法である。
手法「マーチン」とは?
「マーチン」とは、正しくは「マーチンゲール法」といい、負けた時に資金を2倍にして取引する資金管理法。
例えば…
相場変動は価格が上がるか下がるかの二択で勝率50%と考えられるため、0.1lotでポジションを持ち、損切りとなった時に次は0.2lotでポジションを持つ。
0.2lotで勝った場合、0.1lotの損切り分をカバーして利益が出る。もし、再び損切りとなった場合は、0.4lot、0.8lotと連敗の度にlot数を上げていき、どこかで1回勝つだけで全ての損切りを上回る利益となるという手法。
ただ、マーチンゲール法を使い勝てたらいいが、連敗がいつまで続くのか、何トレード目で勝てるのかが分からないため、大きな資金が必要であったり、破綻しない資金管理が重要となるため、初心者にはおすすめできない。
初心者にはおすすめできない手法が2つも入っている
先の説明にあるよう「ナンピン」、「マーチン(マーチンゲール法)」という手法、どちらも初心者におすすめできない、使いこなすことが難しい手法2つが入っているのが『ナンピンマーチンEA』。
しかし、
使いこなすことで平均コストを下げ、大きな利益を生む「ナンピン」
使いこなすことで負けを埋め、大きな利益を生む「マーチンゲール」
爆益EAに使われる「ナンピンマーチンEA」は、使いこなすことができれば大きな利益を生むと言えそうだが、使いこなすことはできるのか?
どちらも手法と言うだけあって、戦略的に使える知識、大きな資金、そして資金管理が必要です。『バルサラの破産確率』も知らない場合は使いこなすことは容易ではないでしょう。プロでも嫌いという人は多い手法です。
ナンピンマーチンEAをみてみよう
レンジ相場に強く、ちょこちょこ稼いでくれる
上の画像はGBPJPY(ポンド/円)で自作ナンピンマーチンEAをバックテストしたもの。約10日間ちょこちょこと利益を取り、736円プラスとなっている。
ナンピンマーチンEAは資金管理のため低ロットで回すことが多く、ほとんどが上の画像のような少額利益を積み上げていくことになる。
ナンピンマーチンが発動すると…
2012年4月17日10:35に、注文番号160で0.02lotでSELLのエントリーが入る。
このエントリー後ポン円の価格は上昇し、それに伴い0.04、0.08、0.16lotとナンピンマーチンでエントリーしていく。
4月19日には1.28lotまでの6本のポジションを持ち、含み損を抱えている。
4月20日には7本目の2.56lotのエントリーが入り、大きな含み損のまま土日を過ごし、23日10:01にやっと利確。
14,248円のプラスとかなり大きく利益を取れたけれど、-20万~-30万の含み損を抱えたまま土日を過ごすことにメンタルを動かされず、4月17日から23日までの6日かかっての着地にストレスを感じずに回せるのか?
いくら100万円証拠金で入れていても、-20万~-30万円の含み損を気にせずにいるのは、初心者ではかなり難しいのではないでしょうか?
最大ドローダウンは131万円
2012年1月1日~2022年12月31日まででバックテストした結果が上の画像。証拠金100万円で純益109万円となってはいるが、最大ドローダウンが131万円。(最大ドローダウンとは、残高(証拠金)が最大になったところからもっとも減少した局面の金額)
「ナンピンマーチンEA」によってロジックもパラメーターも違うため、たまたま今回用意したEAは11年破綻しなかったが、右肩上がりの中にある、下へ垂れ下がっているところは大きな含み損を表している。
SL(ストップロス)に引っかかったのは全部で7ポジション。SLを広くとっているからこそだが、ナンピンマーチンEAは大きな資金、広いSL、狭いTPでこのような右肩上がりのバックテスト結果を作ることは簡単ということ。
キャッシュバックサイトと合わせると儲かる
ナンピンマーチンEA×キャッシュバック
EAの稼ぎにプラスして、15万円前後がキャッシュバックで入ってきていたが、もし「ナンピンマーチンEA」をIB(紹介)で使っている場合、このキャッシュバックの金額は紹介者に入っているということ。
キャッシュバック目当てのナンピンマーチンEAも多い
右肩上がりのバックテスト結果を作ることは簡単で、動きが激しい通貨ペアを選択すれば、たくさんポジションを持ち、キャッシュバックも多くなる。
しかし、キャッシュバック目当てに簡単に次から次へとポジションをどんどん取り、上手く相場が動いて爆益になることもあれば、全ての資金を飛ばしてしまうという「ナンピンマーチンEA」も存在する。
大抵は「爆益EA」などの宣伝文句、IB(紹介)で無料で使えるEAとしてばらまいていることが多いので、初心者さんは注意が必要だ。
開発者自身が実弾(実際に証拠金を入れて)でリアル口座を回しているmyfxbookやリアルトレードは、バックテストではないフォワードの成績が見られるので要チェック。
ナンピンマーチンEAを使うなら?
ナンピンマーチンEAを使うなら、自作多作問わず運用計画書提出の元、リアルフォワード成績が開示されている『MOSAChallengeCup2023 /ナンピンマーチンEA大会 』に出場しているナンピンマーチンEAをお勧めする。
「指標がある日は止める」「完全放置」等、運用ルールが開示されており、ルール通りに運用して破綻してしまったEA、利益を伸ばすEA、様々なナンピンマーチンEAを見ることができ、透明性が高いからこそ、詐欺的EAを避けることができる。
ご自身の資金力、性格に合ったルールなど、EAにも向き不向きがあるので、使ってみたいナンピンマーチンEAを探すには、もってこいの大会となっている。
私も自作ナンピンマーチンEAで出場中なので、興味がある方は記事をご覧ください。
まとめ
「ナンピンマーチンEA」×「キャッシュバック」は本当に儲かる!!
しかし、
・相場の動きによっては何十万円という大きな含み損を抱えながら数日過ごすのが基本
・相場の動きによってはそのまま証拠金を飛ばしてしまったり、損切りになることも
・信頼できる開発者さんのEAで、資金管理を守れる人のみ(全て自己責任)
「ナンピンマーチンEA」に限らず、あの手この手でキャッシュバックで儲けようとする、初心者狙いの業者が多数存在します。
「爆益」といった言葉に騙されず、リアル口座のフォワード成績があるのか?どんな口コミがあるのか?など調べ、最低限バックテストを自分で出来るようになってから、EA(自動売買)を始めてみることをおすすめします。